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The Royal College of Psychiatrists Improving the lives of people with mental illness

産後うつ病:キー・ファクト

Postnatal depression: key facts

 

 

はじめに

出産後、抑うつ的になる女性は100人のうち10-15人とされています。抑うつ状態になると、気分の落ち込みやさまざまな症状が少なくとも2週間は続きます。こうした産後うつの症状には次のようなものがあります:

  • 不安になったりイライラしたりする。
  • 子どもが寝ているときですら眠れない。
  • 食欲がわかない(もしくは、気晴らしのため暴食する)。
  • 申し訳ないと感じ、マイナス思考になる。
  • 物事を楽しむことができない。
  • 生きていてもしょうがないと感じる。
  • 育児や身の回りのことができない。

 

多くの場合、産後うつ病は出産後1-2ヶ月のうちに発症します。数ヶ月経ってから発症することもあります。妊娠中のうつが出産後も続く場合もあります。産後うつ病は数週間から数ヶ月間続きます。

 

産後うつ病の原因は?

さまざまな原因があると考えられていますが、次のような人が産後うつ病になりやすいと言われています:

  • うつ病に罹ったことや、こころの健康に問題があったことがある。
  • 妊娠中、うつ病や不安障害になった。
  • まわりからのサポートが得られない。
  • 配偶者(パートナー)との別離など、ストレスを感じる出来事が最近あった。

 

産後うつ病は予防できますか?

産後うつ病の原因については分かっていないことが多く、予防の方法も確立されていません。しかし、次のことは、産後うつの予防に効果があるとされています:

  • 「スーパー・ウーマン」になろうとしない。がんばりすぎて疲れ果ててしまうことがないようにしましょう。
  • 妊娠中の女性や新米ママと親しくする。
  • 話し相手を見つける。もし親しい友人がいないようであれば、The National Childbirth Trust (www.nct.org.uk/)(英語)やMeet A Mum Association (www.mama.orgco.uk/)(英語)のウェブサイトを見てみましょう。親同士のグループを運営しています。
  • 母親学級・両親学級に参加する。
  • 妊娠中、自分の判断で抗うつ薬を中止しない。かかりつけ医と相談しましょう。妊娠中に抗うつ薬を中止した女性10人のうち7人が、再びうつ病になっています。
  • うつ病になったことのある人は、かかりつけ医や保健師と密に連絡を取る。うつ病の兆候を早期に見つけてもらえます。
  • 妊娠中もうつ病の治療をきちんと続ける。
  • 友人や家族が助けてくれるのであれば、それを受け入れる。

 

産後うつ病の治療はどこで受けられますか?

かかりつけ医や保健師に相談しましょう。緊急時には、救急外来、かかりつけ医、日頃からサービスを受けている人は地域の精神保健サービス機関に行きましょう。

 

治療法はうつの重症度によって異なります。次に述べるようなセルフ・ヘルプの方法は、誰でも試してみることができます。これだけではよくならないようであれば、対話療法(訳注:心理療法など、対話を通じて行われる治療法)が有効かもしれません。さらに重症の場合は、薬物治療が必要となります。薬物治療は、対話療法と合わせて、あるいは単独で受けることができます。

 

セルフ・ヘルプ(自分でできること)

  • 困っていることを、配偶者(パートナー)や家族、友人、保健師、かかりつけ医などに話してみる。
  • 昼夜を問わず、できるだけ睡眠や休息を取る。
  • 規則正しく食事をとる。
  • 楽しめる時間やリラックスできる時間を持つようにする。
  • 地域にある新米ママや産後の女性のためのサポート・グループに参加する。
  • 家事や買い物、子供の世話を他の人に助けてもらう。
  • 運動する。
  • セルフ・ヘルプのための本やウェブサイトを活用する。
  • 産後うつ病の女性をサポートしている団体に連絡する。
  • 自分や配偶者(パートナー)、親しい友人や家族を責めない。
  • 飲酒したり非合法の薬を使ったりしない。

 

配偶者(パートナー)や家族、友人はどのようにサポートしたらいいでしょうか?

  • 時間をかけて話をきく。
  • 産後うつ病の診断結果に、周囲がショックを受けたり落胆しないようにする。産後うつ病は十分治療可能な病気です。
  • 本人(あなたのパートナーや家族、友人)に、必要な治療や支援を受けるよう促す。
  • 買い物や、授乳、おむつ替えなど身の回りのことを手伝ったり、家事を代わりにしてあげる。

 

なぜ治療が大事なのですか?

産後うつ病のほとんどは治療を受けなくても3-6ヶ月でよくなります。産後うつ病にかかった女性4人にひとりは、赤ちゃんが1歳になった時点で、まだ抑うつ状態にあります。うつの症状のせいで赤ちゃんや夫(パートナー)との関係が悪くなることがあります。また、赤ちゃんの発達に影響を与えることもあります。うつの期間が短いほど他への影響も少なくて済みますので、治療を受けるのは大切なことです。

 

対話療法

人に話すことで気持ちが楽になります。かかりつけ医がカウンセリングを勧めてくれる場合もあります。対話療法のひとつである認知行動療法では、あなたの思考や行動のパターンがどのようにうつの症状につながっていくのかを探っていきます。過去を振り返ることでうつ病を理解していく治療法も効果的な場合があります。

 

抗うつ薬はどうでしょうか?

産後うつ病が重症であったり症状の改善がみられないときには、抗うつ薬が効果的な場合があります。抗うつ薬は数種類あり、いずれも良く効きますが、それぞれに異なる副作用があります。抗うつ薬に依存性はありません。どの抗うつ薬も産後うつ病の治療に用いることができますが、服用中に授乳する場合には、より安全性の高い抗うつ薬を使用します。

 

抗うつ薬は効き始めるのに少なくとも2週間かかります。調子が良くなってからも約4-6ヶ月継続して服薬する必要があります。

 

他に有効な治療法はありますか?

ホルモン療法にはほとんど効果はありませんし、ホルモン剤自体、身体に害があることがあります。特に血栓症(血管内に血液の塊ができる病気)を起こしたことがある人は要注意です。

 

セント・ジョンズ・ワートはハーブ薬のひとつで、軽度から中等度のうつに効果があるということが科学的に証明されています。服用中の授乳に関しては、安全と断言できるだけの十分な情報がありません。

 

最後に:うつ状態がしばらく続いたとしても、きちんとしたサポートとカウンセリング、服薬により症状は改善します。今からでも遅くはありません。


Translated by Kaoru Yamanaka, Mio Sugihara and Dr Nozomi Akanuma. March 2012.


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